転職を検討するにあたり、どのくらいの期間で転職できるのか気になる方も多いでしょう。早く決まる方もいれば、なかなか決まらずに半年以上も転職を続けている方もいます。
この記事では、転職を検討している方、転職活動中の方に向け、平均的な転職活動期間や具体的なスケジュールをご紹介します。
転職活動の期間
まず、転職活動の期間ですが、もちろん人によって期間は異なります。転職方法によっても変わってきます。例えばリファラル採用であればかなりスムーズに決まると思うので、両者のスケジュールさえ合えば1ヶ月でも入社可能でしょう。今回は、転職サイトや転職エージェントを利用した場合のスケジュールについてお話しします。
平均は3ヶ月〜6ヶ月
平均的には、転職活動を始めてから3〜6ヶ月で転職が決まることが多いです。まずはこのくらいの期間はかかる前提で準備を進めていきましょう。現在勤めている会社への退職相談のタイミングの参考にしてくださいね。
今の会社を辞めたい一心で退職手続きを進めてしまうと、転職活動が計画通りに行かなかった場合に金銭面で不安になります。今はコロナもあって実家にも帰りにくいですし、転職は慎重に行うべきでしょう。
また、長い人は転職までに1年かかることもあります。言い換えれば1年間無職が続くことになるので、履歴書にも空白期間ができてしまいます。この空白期間の説明の仕方については下の記事でまとめているので、こちらも参考にしてください。
ちなみに僕の場合は、2ヶ月くらいで転職活動を終えることができました。条件のこだわりがそんなに高くなかったこともありますが、最大の要因は職務経歴書をしっかりと書いたことによって企業から希望通りのスカウトやオファーが届くようになったからです。採用担当者が欲しくなる職務経歴書の書き方は以下の記事にまとまっているので、そちらを参考にしてください。
転職活動に有利な時期もある
年間を通してみると、転職活動に有利な時期が存在します。具体的には、企業側の求人数が増える時期のことです。一般的には3〜4月、9〜10月あたりに求人数が増える傾向にあります。この理由は、年度の切り替えに伴う退職者が出るため、後任が必要になったり、新規事業の開始に伴って中途採用者を募集する傾向にあります。
しかし、注意点もあります。退職者が増えるということは転職者も増えるということなので、必然的にライバルが増えるということでもあります。自分の強みをしっかりと説明できるように転職準備を進めておくようにしましょう。
転職に不利な時期はあるのか?
転職に不利な時期は少なからず存在します。大局的な観点では有効求人倍率が低い時は、そもそもの求人数が少ないため、なかなか転職は難しい傾向にあります。また、企業によっても求人の募集タイミングは異なります。例えば現在のコロナ禍では、大打撃を食らっている航空業界などは新規の求人を欲していません。反対に、リモートワークに関係する通信系の企業は各部署で人が足りない傾向にあります。自分が興味のある業界がどういった状況で、転職のタイミングとして適切なのかは考えるようにしましょう。
また、転職する人が増えるタイミングも存在します。基本的にはボーナスが支給される月で辞める人が多いので、そのタイミングで転職活動を始める人が急増します。ボーナスが支給されるタイミングは企業によって異なりますが、6月と12月という会社が多いのではないでしょうか。転職を有利に進めるためには少なからずタイミングも重要なので、ぜひ頭に入れておくと良いでしょう。
具体的な転職活動のステップ
転職活動にはいくつかのステップがあります。転職を決めてから内定をもらって転職活動を終了するまで、大体3ヶ月として考えてみましょう。
大まかな時間軸は以下の通りです。
これはあくまでもモデルなので、自分の現在の仕事の忙しさなどを考慮し、どのくらい時間がかかりそうかを考えていきましょう。
個人的に少し引っかかるなと思っているのは、
- 転職エージェントとのカウンセリング
- 企業との面接
このあたりの時間の調整がとても難しいので、なかなか時間がかかると思います。
転職エージェントは一般企業の終業時間後も21時ごろまで調整できることが多いですが、一般企業との面接は就業時間内で行うケースがほとんどです。そのため、自分も仕事をしながらだと調整が難しいのです。
現在はリモートワーク中心の企業も多いため、面接もオンラインでおこなうことがあります。その場合は多少融通が聞くこともあるので、参考にしてください。
また、オンライン面接のコツは別記事で解説しているので、ぜひそちらも参考にしてください。
僕はオンライン面接で内定をいただき、内定者オリエンテーションで初めてオフィスにいきました
転職意思決定から2週間程度
「よし、転職するぞ」と思い立ったら、まずは「自己分析」「情報収集」「書類作成」から行いましょう。どこで何をしたくて転職を思い立ったのかを整理して、その考えを元に情報収集です。そして、応募先が決まったら履歴書や職務経歴書を準備していきます。
自己分析
自己分析の方法はいくつかありますが、個人的なおすすめは、シンプルに何がしたいのか、どこで働きたいのかなどを思いつく限り挙げてみて、それを優先度の高い順番に並べ替えていく方法です。また、自分のスキルを整理して、何をアピールできるのか、このスキルの先にどんな未来を描いているのかを漠然とでも良いので説明できるようにしておきましょう。
自己分析の具体的な方法は別の記事で解説していますので、そちらを参考にしてください。
情報収集
新卒の就活の時には企業研究や業界研究に時間をかけていたと思います。周囲の人がしているというのもありますが、社会人1年目の教育をどこで受けるかは非常に重要なので、本気で情報収集をしていたのではないでしょうか。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、転職活動でも企業研究、情報収集は必要です。また、新卒の時はあまりなかった企業側からのスカウトなども届くようになります。スキルを生かして会社に貢献してくれませんかという話がほとんどですが、自分のスキルアップを望める環境なのかどうかはしっかりと調べるようにしましょう。
また、転職エージェントに転職市場の動向を伺うのも情報収集の一環です。転職エージェントは会社で得意としている業界があったり、会社の中でも担当している企業が異なるため、特定の企業についてかなり詳しいというアドバイザーがいたりします。
まずは幅広く登録して、色々なアドバイザーにお話をうかがえる状態を作ると後悔しない転職につながると思います!
おすすめの転職エージェントはこちらです。
書類作成
応募する企業が決まったら、履歴書と職務経歴書を作成します。基本的にはデータで送ることがほとんどだと思うので、パソコンで履歴書と職務経歴書の雛形をダウンロードして、埋めていきましょう。
個人的には、この時代に紙の履歴書を要求してくる会社は遅れていると思うので、その時点で入らないほうがいいと思います。変化に適応できる会社を選ぶのが長期的な視点で見ると快適に働けると思います。
履歴書と職務経歴書の作成方法は以下の記事を参考にしてください。
僕が難病を持っていることもあって、病気持ちの人の履歴書の書き方は以下の記事で解説しています。
転職意思決定から2ヶ月程度
転職カウンセラーとの面談や応募企業の選定がおわり、求人応募をしていよいよ面接などを行うのがこの2ヶ月目くらいまでのあたりだと思います。ここで自分の良さを存分にアピールしてやりましょう。また、企業に自分をアピールするだけでなく、こちらも企業を見極める場となります。企業についての下調べをして面接に臨みましょう。
求人応募
求人応募は新卒の時のようにガンガン送ってお祈りされて、、というのは効率が悪いです。休憩がてら無職期間があっても良いと思う方は余裕がありますが、今の会社をやめたらすぐに次の会社にいきたいと思っている人は要注意。時間のない中で転職先を決めるために、戦略を立てて応募しましょう。
面接
面接は企業に自分をアピールする最初で最後のチャンスです。自分の魅力を存分に語れるように、想定問答は考えておくべきです。また、コロナ禍の面接はオンラインで実施することもしばしばあります。せっかくなら印象がよく見えるようにポイントを押さえて面接に臨みましょう。
面接の想定問答の考え方、オンライン面接で印象をよく見せるための方法は以下の記事を参考にしてください。
転職意思決定から3ヶ月程度
企業との面接も終わり、内定が出る頃でしょう。面接を通して自分がいきたいと思った企業にいくのが一番ですが、もちろん条件面のすり合わせは絶対に必要です。自分が譲れる部分、絶対に折れたくない部分をしっかりと検討し、納得のいく転職活動の締めくくりにしまうしょう。
また、企業から内定が出たらたいていの場合は返事のタイミングが決まっています。入社の時期は調整できるとしても、内定を承諾するかどうかは期限つきのことが多いです。他の企業とのスケジュールも含め、調整はしっかりと行うようにしましょう。
内定・退職
内定を承諾したら、退職の準備を進めましょう。転職活動中に退職手続きを進めている方もいるかもしれませんが、いつ退職して、いつから新しい会社で働くのかを決め、かぶらないように調整する必要があります。
退職は大体1ヶ月前には告げる必要があります。就業規則で定まっている場合はそれに従う必要があります。また、入社時期も企業によってはずらせないことがあるので、この辺の調整は慎重に行いましょう。
もし退職手続きが何らかの理由で難しい場合は、退職代行サービスを使うのも手です。最近では利用者も増えているので、企業側も慣れてきています。新しい環境に飛び込む準備をサポートしてくれるので、使ってみるのもありだと思います。
退職代行サービスについての記事もあるので、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
転職活動をいつ始めるか
転職活動を始めるタイミングは人それぞれです。少しの間は無職でも大丈夫という方は選択肢も多いですが、金銭的に余裕がない場合はそうも言ってられません。まずは自分がいつまでに転職を完了させたいのか、そして今の会社を辞めやすいタイミングはいつなのかをしっかりと把握した上で、在職中に転職活動をするか辞めてからするかを考えましょう。
理想は転職決定後に退職手続き
理想としては、在職中に転職活動を進め、内定をもらって転職先を確定させてから退職手続きが良いです。理由はシンプルに心理的不安がない状態で転職ができるからです。
しかし、忙しい企業に勤めている場合はスケジュールの捻出が非常に難しいでしょう。実際、僕も転職する際にはかなりスケジュールの都合をつけるのが難しかったです。運良くリモートワークに切り替わったので、会社のカレンダーには「社外ミーティング」と入力してオンライン面接の時間を確保していました。こういった融通が利く場合はうまく調整しつつ、会社にも迷惑をかけないように気をつけて転職活動を進めていきましょう。
とはいえ、退職の意思はなるべく早めに伝えておくべきです。もちろんあなた一人の穴を埋めるためには時間がかかりますし、引き継ぎなども含めて早めに準備に取り掛かりたいと思うものです。100歩譲って会社だけに迷惑がかかるなら、法律の範囲内で迷惑をかけてもいいとは思います。しかし、引き継ぎがうまくいかないと辞めるに辞められなくなり、すっきりと転職できない場合があります。そのため、転職を考えていることは直属の上司に先に伝えておきましょう。
退職後に転職するならある程度の金銭的余裕が必要
退職後の転職活動は、多くの場合無職の状態で行うことになります。短期のバイトをするのは可能ですが、ほぼ確実にこれまでの給料よりはもらえないでしょう。しかし、家賃などの固定費は同額かかります。家賃補助をもらっている場合は在職時よりも負担が増えます。そういったコスト面の計算をして、転職活動にかけられる時間を把握し、積極的に面接を組んでいく必要があります。
僕の場合はFXでその日暮らしできるくらいのお金は工面し、さらにライティングで単発の依頼をいくつかもらってお金を稼いでいました。そんなに焦ることなく転職活動ができたので、副業などをして金銭的な余裕を持っておくことは重要かもしれません。
転職活動が延びる理由
転職活動の目安となるスケジュール感は上述のとおり、大体3ヶ月程度です。しかし、これはあくまで目安であって、スケジュールは人によって延びたり縮んだりします。基本的には延びる人が多いと思うので、その原因として考えられるものを3つご紹介します。
応募が慎重すぎる
まず、自分にあった企業を絞り過ぎて応募数が圧倒的に足りないパターンです。
よくあるのは、「1社応募してダメだったら次の候補に応募」というやり方です。これだと面接まで行きついて落とされたら最初からやり直しですので、時間がかかり過ぎます。
さらにひとつ目安として覚えておいてもらいたいのが、書類選考が通るのはどんなにすごい人でも20%程度です。10社応募して2社と面接でき、さらにそこからまた絞られるのです。
つまり、1社ずつ応募していたらほとんど落とされてしまう可能性が高いため、想定していたスケジュールからだいぶディレイします。転職アドバイザーと相談しながら、自分の条件に近いなら全部応募するくらいがちょうどいいです。仮に書類選考が通っても、改めて検討してやっぱり違うなと思ったらいつでも辞退できます。
面接の日程調整ができない
続いて、在職中に転職活動をする人にありがちなのが面接の日程調整ができないという点です。転職アドバイザーは19時以降でも土日でも面談をすることができるケースが多いですが、一般の企業ではそうはいきません。先方のビジネスタイムに合わせて自分の日程を調整する必要があります。オンライン面接でも会社から繋ぐのはさすがに厳しいですし、かといって対面でやるにしても仕事を早退したりする必要があり、結構苦労すると思います。
また、企業によっては2週間程度結果待ちということもあり、思っていたよりもゆっくり選考が進むこともあります。
複数の企業を受けている場合、選考の足並みを揃えることが重要です。これは、内定をもらってから返事するまでに2週間以内など期日が決まっており、他の選考結果待ちなので少し待ってもらえませんかというのは厳しいためです。あなたの他にも同じ企業を受け、内定をもらっていたり、もしくは他の相手に返事をしなくてはいけないから早く内定を受けるか辞めるかの連絡が欲しいと思っている企業が多いです。
あなたが超ハイスペックでないかぎりは、内定を受諾しないリスクヘッジのために代わりの人材を準備します。そういった企業側の都合もあるため、面接の日程、選考の進み具合は足並みを揃える必要があります。
退職交渉が長引く
最後に、退職交渉が長引いてしまったために入社が遅れるというパターンです。退職日の2週間前〜1ヶ月前に退職願を提出することが多いですが、就業規則で別途定められている可能性があります。規則は予め確認しておき、引き継ぎの準備ができるものは先にしておくとスムーズです。
退職届は会社によってフォーマットがあったりするので、詳しくは担当者に確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、転職活動の期間について、具体的なスケジュールを紹介しました。転職活動は思ったよりも時間がかかることが多いです。そのため、早めに準備を進めておき、スムーズに転職できるようにしましょう。
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