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転職者は有効求人倍率に騙されちゃダメ!その理由を解説

有効求人倍率

転職活動をしていると、エージェントやアドバイザーの方から「有効求人倍率が高いので今は転職は難しいと思います」といったことを言われることがあると思います。

しかし、有効求人倍率は多くの転職者にとってそこまで重要な指標ではありません。

今回は、その理由を解説します。

しっかり準備さえすれば転職はできます

有効求人倍率とは

有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値です。

例えば求職者が500人いて、求人が1500件ある時、有効求人倍率は3.0倍となります。

計算式

有効求人倍率の計算式

有効求人倍率=有効求人数/有効求職者数です。非常に単純な計算式ですね。

有効求人倍率で何がわかるか

有効求人倍率が高ければ、1人に対して求人がいくつもある=転職がしやすいということがわかります。

有効求人倍率は転職のしやすさを示す指標であるとともに、景気の良し悪しを測るためにも使われます。

投資の世界では完全失業率とともに「雇用統計」として重視されており、数値が悪ければ景気が悪化していると判断されます。FXなどをしている人はよく聞くかもしれませんね。

景気との関係

景気が良くなると、企業の業績が上がります。すると、企業の採用人数も増加し、有効求人倍率は高くなります。反対に景気が後退し、企業業績が悪化すれば、採用人数は減少し、転職が難しくなるとされています。

有効求人倍率の歴史

全国の有効求人倍率の推移

※出典:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省

有効求人倍率はバブル期には1倍を超えていましたが、バブルが崩壊すると景気後退に伴って新規採用を抑制する企業が増え、1倍を切っていきました。

1992年はオイルショック以来の就職難と言われており、第二次ベビーブーム世代の就職と重なり、求職者は多いのに仕事はないという状況に陥りました。

その後緩やかに景気は回復していったことや、労働人口の減少もあって有効求人倍率は高くなっていきましたが、2009年にはリーマンショックによって有効求人倍率は急激に低下してしまいます。

それから現在に至るまでは順調に回復を見せていましたが、コロナウイルスの影響もあって今後は景気の落ち込みが懸念されています。

有効求人倍率の問題点

有効求人倍率は転職のしやすさを測る指標、また景気の動向を測る指標として重宝されていますが、転職者が活用するにはいくつかの問題点があります。

対象がハローワークのみ

まず、有効求人倍率の定義は、「公共職業安定所(ハローワーク)に申し込まれた求人数を求職者で割った値」です。

つまり、有効求人はハローワークに登録されている求人ですし、有効求職者数はハローワークに登録されている求職数です。それ以外の求職や新卒者の求人は反映されていません。

そのため、景気はある程度反映しているとしても、転職市場の動向をみるにはかなり偏ったデータであると思っておくべきでしょう。

ハローワークを使って転職をしている場合は別ですが、キャリアアップを考えての転職ではハローワークよりも一般の転職サイト等を活用していると思いますので、注意してください。

求人倍率における「有効」とは何か

ハローワークでの求人数や求職者数が有効期間内にあることを意味しています。

有効期間とは、その数値が確かだと認められる期間の目安です。

ハローワークでは有効期間は2ヶ月間とされています。有効求人倍率は、算出をする時点で有効期間内にある求人数、求職者数をもとに算出されます。

正社員募集とは限らない

有効求人倍率のもう一つの問題点として、求人が正社員の募集とは限らない点が挙げられます。厚労省の発表における有効求人倍率は、正規雇用と非正規雇用の区別はされていません。そのため、全ての雇用形態の求人が含まれています。

パート・アルバイトを除いた有効求人倍率は別途計算されていますが、こちらは派遣や契約社員が含まれているので、厳密に正社員だけの有効求人倍率とは言えません。

転職者が注意すべきことと準備するべきこと

上記で説明した通り、有効求人倍率はハローワークを使っていない場合はそこまで気にしなくてもいい指標です。景気の動向をある程度は反映していますが、求人を募集している側からすると、人が欲しい時は不景気だろうと欲しいですし、いい人がいれば採っておきたいものです。

そのため、例えば「今は有効求人倍率が低いから転職をするべきでない」というアドバイスを転職アドバイザーなどから得た場合はそこまで気にしなくてもいいと思います。

とはいえ、採用数が減っている可能性はあるので、ある程度余裕を持って転職活動ができるように準備をしておくと良いです。

履歴書や職務経歴書をしっかりと準備する

有効求人倍率が低いということは、企業の意思決定者はどちらかというと求人に消極的です。そのため、その中でもこの人は採用したい!と思わせるような履歴書や職務経歴書を作る必要があります。

採用担当者に印象のいい履歴書や職務経歴書の書き方は以下の記事を参考にしてください。

複数の転職サイトに登録し、情報収集をする

一つの転職サイトだけを利用すると、転職情報の管理は簡単ですが、その分入ってくる情報が限られてしまいます。また、あなたの窓口になってくれる人がどこまで業界に精通しているかはわかりません。そのため、できる限り複数の転職サイトに登録して情報収集をしつつ、積極的に採用を行っている企業を見つけられるようにしましょう。

また、転職サイトによってはスカウト機能があり、企業から直接あなたへのスカウトが届くことがあります。スカウトが届く=求められているということですので、自分の希望と少しずれているなと感じた場合でも話を聞いてみるのがいいと思います。

まとめ

有効求人倍率は、転職のしやすさを示す指標ではありますが、全員に当てはまる指標ではありません。自分が転職したい業界、職種、利用している転職サービスによっても求人の数は異なります。有効求人倍率が低いから転職がしにくいと安易に考えず、情報収集をしながら自分の感覚を大切にするといいでしょう。

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