ブラック企業は働くのも大変ですが、辞めるのも大変なケースがあります。
今回は、ブラック企業の辞める際の方法や注意点についてご紹介します。
退職代行を使うのが平和です
ブラック企業を辞めないと起こること
そもそもブラック企業に勤務し続けると、いろいろな弊害が起こります。
個人的に最も危惧すべきは「価値観が歪む」ことだと思っています。
健康被害
まず大前提として、健康を害する可能性が非常に高いです。
長時間働くことにより、身体的にも精神的にも症状が出始めます。
身体症状
ストレスやプレッシャー、長時間の座り作業によって以下のような症状に悩む方が多いです。
- 頭痛
- めまい
- 腹痛
- 腰痛
- 肩こり
- むくみ
- 肌荒れ
精神症状
ストレスやプレッシャーが強くかかる状態が続くと、病気になります。
- うつ病
- 適応障害
- 不安障害(社交不安)
- 双極性障害
- 自律神経失調症
- 不眠症
真面目で一生懸命な人ほど症状が出やすいので気をつけましょう
なぜかスキルが身についていない
ブラック企業は勤務時間が長いわりに、振り返ってみるとそこまでスキルが身についていないです。
これは以下のような理由があります。
- 社内の雑務に追われている時間が多い
- 良質なインプットの時間がとれない
- 効率の悪い方法で仕事をしている
- 工夫する猶予すら与えられていない
スキルが身につかない大きな理由として、実際に業務に当たっている時間がそこまで長くないケースがあります。会社の雑務に追われていたり、言われたことをやるだけの時間が長く、自分で考えて動く時間が少ないのです。これではスキルは身につきません。
また、ある程度自走できる人間なら、時間的にも金銭的にも余裕のある会社にいた方が、知識のインプットのための時間を取りやすいです。さらに、失敗に対する許容範囲もある程度広いため、トライアンドエラーをしながら最適解を見つけることができます。
長時間働くことが正義だと思ってしまう
長時間働くことが当たり前の会社にいると、”Time is money”の価値観が崩壊します。ダラダラ仕事をしてしまうようになったり、期限内に終わらせるための段取りを軽視して見切り発車するようになってしまうため、普通の働き方ができなくなってしまうことがあります。
友達が減る
ブラック企業に勤めていると、友達が減ってしまう傾向にあります。その理由は以下です。
- 物理的に会う時間がない
- 連絡を返すのがどんどん遅くなる
- 久しぶりに会っても仕事の話ばかりすることになる
- 価値観が合わなくなる
自分はそんなつもりはないかもしれませんが、気付いたら仕事の話ばかりしてしまうようになっています。これは仕事の愚痴が多いということもありますが、そもそも趣味を楽しむ時間がないために会話のネタを持ち合わせていないからです。
平日は遅くまで働き、休日は泥のように眠り続けるような生活では、人に共有して楽しい話もなくなってしまうのです。
僕は前職のブラック企業に勤めている際は、友人からワーカホリックと呼ばれてました
会社を辞めるまでに必要な手続き
会社を辞めるまでの一般的な手続きについて解説します。
やらなくても辞めることはできますが、社会人として最低限のマナーでもあるため、どのような手続きを踏んで辞めるものなのかは把握しておきましょう。
退職の意思を伝える
まず、退職を決めたら退職意思を伝えるようにしましょう。
この時、一番最初に伝えるのは直属の上司です。チャットやメールではなく、口頭で伝えるのがマナーです。
昨今の情勢によってリモートワークが進んでいる場合でも、時間を取ってもらい、オンラインでもよいので口頭で伝えるようにするのが礼儀です。
就業規則にもよりますが、できれば退職から1ヶ月前には伝えるようにするべきでしょう。
退職願・退職届の準備
上司から退職の承諾を得たら、退職願を提出します。
注意点として、退職願や退職届はしっかりと文面に残しておくようにしましょう。特にブラック企業は口頭のみで交わすと「なかったこと」にされてしまうことが多いです。次の職場にすぐに移れるように、どんな文面をいつ提出したかは控えておくようにしましょう。
業務引継ぎ
会社を辞めるまでは社員であることに変わりはないので、社員としての責務は果たすようにしましょう。
業務の手順や注意点をテキストやパワーポイントでまとめておくのが良いです。
ブラック企業の場合は業務が多岐に渡り、煩雑になっていることも多いため、余裕を持って取り組むことをおすすめします。
経営者と仲違いをするのは別にいいですが、同僚にはあまり迷惑をかけないようにしたほうがいいでしょう。経営者は別の職場で一緒に働くことはほとんどありませんが、同僚は同じような業界で働くことが多いため、なるべく印象よく辞めましょう。
社内外への挨拶
クライアントがいる場合は退職日や後任者を伝えて挨拶をするようにしましょう。別の会社に行っても付き合いがある可能性もあります。また、クライアントはこちらの社内の動きなど関係ないので、迷惑はかけないように立ち回るようにしましょう。
有給消化
有給消化はしっかりとするようにしましょう。次の仕事への準備期間に当てるもよし、旅行に行ってリフレッシュするもよしです。
就業規則を確認して、引継ぎと有給消化が両立できるタイミングを退職日にするようにしましょう。
有給休暇を取らせてもらえないこともあるので、トラブルにならないように早めに伝えるようにしましょう。
ブラック企業を辞める際に注意するポイント
ブラック企業の場合、希望通りに辞めることはほとんどできないのが実情です。
僕も前職を辞めるときは希望通りには辞めることができませんでした。
どのようなことが起こるかを確認しておきましょう。
簡単には辞められないことが多い
まず、希望の退職日を伝えてもそれが通ることはまずないでしょう。これはホワイト企業でもよくある話ですが、ブラック企業の場合は退職日の交渉が難航するというより「辞められない」ことがあります。
そもそも退職の意思を伝えるタイミングがなかったり、無視され続けたり、綺麗に辞めたくてもなかなか辞められないのです。
言い出しにくい雰囲気があることも多いですね
転職活動の時間が取れない
ブラック企業は業務時間がとんでもなく長いため、転職先を探す時間もなければ、面接の時間調整をすることも難しいです。あまりにも時間がない場合は退職してから転職活動を進めることも視野に、貯金をしたり家族への協力を要請するのがおすすめです。
有給が消化できない
ブラック企業は有給消化ができないケースが多いです。違法なのでしっかり訴えれば100%勝てるのですが、時間がかかりますし、どちらかと言うと早く辞めたい人の方が多いため、結果的に有給消化ができないということがあります。
有給消化ができなかったら企業の口コミとかに書いておきましょう。その際、有給を取れなかった事実は記録を残しておくことをおすすめします。
同じ業界だと悪評を流されることもある
ブラック企業は性根が腐っていることがあり、同じ業界で転職をすると悪評を流されることがあります。
最近では企業が採用候補者のバックグラウンドを調査するために「リファレンスチェック」を行うことがあります。リファレンスチェックでは過去に在籍した企業の同僚や上司から仕事ぶりなどをヒアリングし、どんな人物かを判断するものです。こういったケースでは嫌がらせを受けることがあります。
退職の3つの方法
ブラック企業に限らず、退職の方法には3つあります。
- 自分で手続きをして辞める
- バックレる
- 退職代行サービスを使う
それぞれメリットとデメリットがあるので、それを紹介します。
自分で手続きをして辞める
最もおすすめの辞め方は自分で手続きをして辞めることです。
誠意が感じられますし、周囲との関係を悪化させずに辞めることができます。
自分で手続きをするメリット
- 印象が悪くになりにくい
- 自分の思いを伝えて辞めることができる
- 他の人に転職活動を知られずに済む
自分で手続きをするデメリット
- 辞めるまでに時間がかかる
- 引き止めにあった時に辞めにくい
- 交渉がうまくいかないこともある
バックレる
バックれて辞めることも可能です。しかし、圧倒的に迷惑をかける辞め方なので基本的にはおすすめしません。場合によっては損害賠償を請求されることもあるため、注意が必要です。
バックレるメリット
- 辞めたいと思ったら辞められる
- 面倒な引き継ぎがない
- 職場の人間関係などを全部リセットできる
バックレるデメリット
- 社会人マナーがないと思われる
- 悪評が目立ち、転職活動に影響する
- SNSなどで批判されることもある
- 損害賠償を請求されることがある
- 転職に必要な書類(離職票、雇用保険被保険者証など)がもらえないことがある
退職代行サービスを使う
自分で手続きをして辞めたいとは思いつつ、雰囲気的にも精神的にも辞めにくいなという場合は退職代行サービスを使って辞めるのをおすすめします。
退職代行サービスは、その名の通り退職したい人に代わって会社との窓口になって退職手続きを進めてくれるものです。もう職場の誰とも会いたくない、とにかくさっさと辞めたい、転職活動に力を入れたいから退職については人任せにしたいなどの理由で利用可能です。
退職代行を使うメリット
- 辞めると決めてから誰とも会わずに辞められる
- 即日辞められる
- 法律に精通しているため、不利になることが少ない
退職代行を使うと誰とも会うことなく即日辞めることができます。
ハラスメントに苦しんでいる方や、方や、精神的にもう出社ができない人には特におすすめのサービスです。
自分の心が壊れるくらいなら、お金を使ってでもすぐに辞めてしまった方がいいです。心が壊れてしまうと、そう簡単には治りません。
退職代行を使うデメリット
- 一定の料金がかかる
- 退職代行をよく思わない人がいる
サービスの認知度こそありますが、やはり社会人としてのマナーがないと思う方も一定数いるのはデメリットです。しかし、労働者が代理人を立てて交渉することは何の問題もありませんし、綺麗に辞めさせようとしない会社の方が倫理的に問題ですので、気にせずOKです。
採用担当としては、辞め方が綺麗かどうかよりもスキルを見ています。辞め方については会社側の問題があることも知っているからです。
最近では、退職代行サービスを就業規則で禁止している会社もあるようです。とはいえ、就業規則よりも民法が優先されるので禁止されていても退職代行サービスを利用することに問題はありません。
退職代行なら退職代行ガーディアンがおすすめ
退職代行を利用するなら、【退職代行ガーディアン】 がおすすめです。
退職代行ガーディアンとは?
退職代行ガーディアンは、退職代行業界の健全化を図るために生まれたサービスです。
従来の退職代行業は、サービスの需要に目をつけた民間業者が専門的な資格を持ちあわせていないのに退職代行業をしている状態でした。
民間業者の退職代行サービスでは、以下のような問題点があります。
- 交渉ができない(弁護士法違反になるため)
- 労働組合と名乗りながら、実態は一般企業のケースがある
- 退職の緊急性につけこんだ詐欺会社のケースもある
これらの問題点を考えると、退職代行サービスを問題なく受けることができるのは弁護士事務所しかありませんでした。
そんな不健全な業界になってしまっている退職代行サービスの健全化を図るため、法適合の合同労働組合が退職代行サービスを開始しました。それが「退職代行ガーディアン」です。
儲かるからやるのではなく、一人でも多くの人に安心して退職してもらうためにできたのがガーディアンです。
法適合の労働組合
退職代行サービスは、その業務内容が代理人による交渉のため、基本的には法適合の合同労働組合もしくは弁護士でなければ務めることができません。弁護士法違反になる可能性がきわめて高いのです。「非弁行為」と呼ばれます。
普通法人が運営元の場合、よく調べて交渉業務自体は弁護士が行うなどの確約を得る必要があります。これは時間のない転職活動の足かせになりますし、余計に費用がかかってしまうことにもつながります。
ガーディアンは東京労働委員会に認証されている法適合の合同労働組合が行うため、違法性がなく安心して任せることが可能です。
料金が一律
多くの退職代行サービスでは雇用形態や地域などによって追加料金がかかるケースがあります。また、実際に交渉してみたら長引いてしまってその分の追加料金を請求されることもあります。
ガーディアンの場合は全ての退職代行が料金一律になっており、追加で料金を請求されることはありません。
ほぼバックれ退職が可能
就業規則で1ヶ月前に申告することになっていたとしても、即日退職が可能です。相談した当日から出社せずに退職できます。
辞めにくい場合は法律を振りかざそう
会社を辞めるためには、社会慣習上いくつかの手続きを踏む必要があります。
しかし、法律では14日前に退職を申し出れば何の問題もなく退職できます。(民法第627条第1項)
有期雇用や契約社員の場合は別で、雇用契約を結んでから1年以内はやむを得ない事情がない限りは退職できません。
退職を認めてもらえない場合
会社側にどんな事情があっても、法律上は2週間前に予告すれば退職可能です。
就業規則よりも法律の方が優先されますので、会社側に退職を認めないという選択肢は基本的にありません。
ただし、退職を申し出た日がいつなのかわかるように証拠を残すようにしましょう。口頭で伝えるのは絶対にNGです。書面に残し、内容証明郵便などを使って会社に提出することをおすすめします。
ひどい会社では、退職願を破り捨ててなかったことにするので注意してください
退職意思を伝えたら脅された場合
辞めることを会社に伝えたら損害賠償を請求すると言われるケースもあります。ブラック企業だと意外と多いです。
しかし、適切な退職の申し入れがあれば基本的に損害賠償を支払う義務は生じません。2週間の予告期間をおいて退職するなどすれば問題なく退職可能です。
有期雇用や契約社員の場合は注意が必要ですので、どうしても辞めたい場合は弁護士など詳しい人に相談することをおすすめします。
退職日を会社に決められてしまいそうな場合
退職日を決めるのは労働者で、会社から一方的に退職日を決めることはできないことになっています。もちろん会社の事情があってこの日にしてほしいという希望を伝えられることはありますが、それを認めるかどうかは労働者次第です。
もしも会社に退職日を一方的に決められてしまいそうになった場合は、内容証明を使って日時を指定するのがおすすめです。提出から2週間後以降ならいつでも退職OKです。
ただし、会社側と後々トラブルにならないようにするためには話し合いの上で退職日を決定するのがベストです。
有給消化が認められない
退職にあたって有給休暇の消化を認めないケースがあります。これは違法行為なので100%勝てますが、まずは社内の担当部署に相談(告発)したり、労働組合、労働基準監督署に相談しましょう。
それでも有給消化を拒否してくる場合は、弁護士を使うことも検討した方がよいです。労働基準監督署は対応に時間がかかるケースがあります。
有給は労働者の権利です。絶対に使い切るくらいの気持ちでいた方が良いでしょう。
まとめ
ブラック企業は一人で辞めようとすると、なかなか辞められなかったり不利な条件で辞めさせられることが多いです。そういう悪どい知恵が働くのがブラック企業なので、一人で立ち向かうのはあまりおすすめしません。法的な知識を持ち、労働者の権利を守ってくれる退職代行サービスにお願いすることでトラブルになることなく辞めることができます。
ブラック企業に勤め続けると、身も心もボロボロになってしまい、気づいた時には社会復帰が難しくなってしまうほどの精神疾患になってしまうこともあります。ぜひ、早めに行動に移すようにしましょう。
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