転職活動を本格化させ、様々な企業に応募しようと思ったら、企業研究や業界研究が重要になってきます。
今回は、僕自身が転職活動で実際に役立ったと思う企業研究と業界研究の方法について解説します。
ポイントはSNSです
企業研究の前にやること
企業研究をする前に、そもそも自分がなぜ転職をしようとしているのか整理することから始めましょう。この整理ができていないと、結局どんな企業が自分にあっているのかが不明瞭になり、満足のいく転職活動ができなくなります。
今の不満を明確にする
まず、今の環境で不満に思っていることを箇条書きで書き出してみましょう。誰に見せるものでもないので、自分の気持ちに正直に書いてみてください。
参考までに、僕が転職活動の前に不満に思っていたことは以下です。
- 給料が安い
- 勉強させてやるという会社のスタンスが嫌い
- 労働時間が長い(ほぼ違法)
- 上司が人格否定をしがち(見れられない)
- 会社のトップが小物
- ルールがガチガチ
- スーツ出勤
- 毎朝の唱和が宗教みたいで嫌
- 評価システムが案件依存
- 金儲け至上主義(クライアントファーストになってない)
こんな感じです。要約するとブラック企業だったので早く辞めたいと思っていたのですが、基本的に転職活動は上記の反対になるように選んでいきました。
具体的には、以下のような条件です。
- 給料が高い(残業代が支給される)
- 仕事を通してスキルアップできる
- 定時上がりが基本
- 上司が優しい(チャレンジを許容する文化)
- 会社のトップが創造と破壊を好む(新しいことをやりたがる)
- ルールが最小限で、個人に委ねる部分が大きい
- 私服出勤
- 唱和とか無駄な社内文化がない
- 評価システムが定量、定性の2軸で測られる
- 目線は常にお客様にある
不満を明確にすると、その反対を考えるだけでこれだけ条件が絞れてくるわけです。
もちろん妥協をする部分もありますが、基本的には上記の条件をエージェントにも伝えましたし、実際にそれに沿って企業をピックアップしてくれました。
自分のスキルを客観的に把握する
自分の能力をしっかりと把握しておくことで、現時点で入社できる可能性があるのかどうかを検討することができます。
これは職務経歴書を書く際にも重要なので、自己分析も兼ねてしっかりとスキルの棚卸しをしておきましょう。
重要なのが、今のスキルをさらに伸ばしたい、広げたい転職なのか、今のスキルとは別軸で新しくスキルを身に付けたい転職なのかをはっきりとさせておくことです。
企業側は基本的に即戦力を求めているため、これまでのスキルを生かして仕事をして会社に利益をもたらしてほしいと考えています。そのため、自分ができることは必ず整理しておきましょう。そのうえで、新しくやってみたいこと、挑戦したいことに取り組める環境かどうかを判断します。
興味のある仕事でも、自分のスキルが圧倒的に足りていない場合は入社できる可能性は低いですし、仮に入社しても能力以上のことを求められて後悔することになりかねません。
自分の能力を客観的に見つめ直してみましょう。
友達や同僚に聞くのもありです!
自己分析で目指すキャリアの方向性をまとめておく
上記のスキルの把握にもつながりますが、そもそもどういったキャリアプランで転職を考えているのかをまとめておきましょう。
自分が歩みたいキャリアからずれてしまうと、その会社に入社する後悔だけでなく、取り返しのつかない方向性の違いに後悔してしまうこともあります。
転職は何度でもしていいと思いますが、自分の将来に直結することを決めているという緊張感は重要です。
自己分析の方法は以下のページを参考にしてください。
企業研究のポイント
前置きが長くなりましたが、ここから企業研究のポイントについて紹介します。
企業研究で意識するのは以下の3点です。
- 過去どのような事業をやってきた会社なのか
- これからどのような事業を目指している会社なのか
- 自分が力になれそうな分野はあるか
これらを意識して、以下の情報源を探っていきましょう。
公式ページ
まず、必ず見なくてはいけないのがその企業の公式ページです。
まず注意していただきたいのが、この時代に公式ページがない会社、内容の薄い会社は入らない方がいいということ。今はどこの企業も情報発信に力を入れています。その中でも最も重要な公式ページがスカスカだと、おそらく入社してもいい経験はできないでしょう。
ほとんど全ての企業の公式ページには、企業の沿革、経営方針、企業理念などが書いてあります。自分が求めるものがあるかどうか、社風はどうか、会社が大事にしている価値観は何かを確認し、自分に合っているかを考えましょう。
公式ページには、プレスリリースと言って企業が発信したい情報がまとまっているページがあります。そのページを確認して、どんな事業やサービスを展開していこうとしているのかをチェックしておきましょう。また、競合企業のプレスリリースも見ておくと業界動向を知るきっかけにもなります。
プレスリリースの内容を面接で話すと最新情報を追っているので好印象です!
新卒採用ページ
新卒採用のページは、どんな人に入社してほしいか、どんな教育体制があるのか、どんな組織を目指しているのかなどが丁寧に書いてあります。
転職者であっても、この内容を確認しておくことは重要です。参考にして、面接では求められている人物像を意識して振舞うようにしましょう。
口コミサイト
企業の公式ページ以外にも、転職サイトなどが運営している口コミサイトをチェックするようにしましょう。
口コミサイトには、企業が公表していないような生の声が書かれていることが多く、実際に働く際の参考になる話が多いです。
ブラック企業を見分ける際の参考にもなるので、必ずチェックするようにしましょう。
ただし、企業が口コミサイトの内容を操作していることもあるので、信じすぎるのはよくないです。特に、高い評価ばかりが並んでいる時は疑ってかかるのがおすすめです。
僕の前職の会社では、年収が高くて会長から気に入られている人が書いてました。信頼性はほぼゼロです。
各種SNS
多くの企業で、TwitterやInstagramの公式アカウントを運用しています。これらをチェックするのもおすすめです。
企業アカウントは基本的に以下の目的で運用されています。
- 商品の宣伝
- 企業の知名度向上
- 顧客の意見の吸い上げ
しっかりと運用されている場合は、定期的に新商品のお知らせをしたり、季節のイベントの際にはキャンペーンなどを行います。そういった施策一つ一つを追っておくと、面接の際に話を広げやすくなります。また、企業側も「この人は弊社の最新の情報をしっかりと追ってくれているから、志望度が高そうだな」というように高評価につながります。
また、企業によってはいわゆる「名物社員」が実名顔出しでアカウントを運用していることもあります。その場合はその人の話もしっかりと追っておくのが良いでしょう。一社員のリアルな視点から会社やサービスのことを発信しているため、より親近感を持って研究できます。
企業側は細かいところまで見てくれていると嬉しいものです!
会社で出している書籍
大きい企業になると、会社の代表や社員が書籍を出していることがあります。
もし書籍が出ている場合は、面接前に読んでおくことをおすすめします。
本の内容にもよりますが、多くの場合は本の中で会社の文化などに触れています。
僕はZUUの『鬼速PDCA』を読んでZUUを受けたことがあります
面接では「最近読んだ本はありますか?」という質問をされることがあるので、読書の習慣は持っておいた方がいいと思います。通勤の電車では絶対に本を読む、寝る前は必ず本を読むと決めて、2週間くらい頑張って続けると習慣になるのでぜひ挑戦してみてください。
僕はKindle Unlimitedで読んでます。ビジネス本や自己啓発系の本も多いので、興味がある方はぜひ登録してみてください。
通勤時、就寝前の読書はkindle paperwhiteがおすすめです。目に優しい光なのと、充電が2ヶ月〜3ヶ月程度持つのが特徴です!
少し値段がするので、本を読む習慣が身につきやすいと思います!
業界動向の調査
企業研究の他に、業界動向の調査も合わせて行ったほうがより深い企業研究にもつながります。
業界動向は企業研究と同時に行うべき
そもそも、企業研究をする際には、競合調査も行うべきです。その企業の業界での立ち位置によって、将来性を予想することができます。
また、自分に合った業界内でのポジションがあるはずです。コトラーが提唱した競争地位の4類型に当てはめるなら、業界での地位によって以下のような分類が可能です。
- リーダー
経営資源の質・量ともに豊富にある企業 - チャレンジャー
経営資源はあるが、資源の独自性がない企業 - ニッチャー
経営資源は少ないが、資源の独自性が高い企業 - フォロワー
経営資源が少なく、資源の独自性もない企業
これらの中で、自分が入りたいと思っている企業がどこに位置しているのか、そして自分が身を置きたい環境はどれなのかをしっかりと考える必要があります。
おすすめはフォロワー以外
リーダーの企業は、常に追われる立場です。積み上げてきたものを安定して運用していく力、そして新しいことを失敗せずにやっていく力が求められることが多いです。
チャレンジャーの企業は、リーダーを追う立場です。常に勝負をかけ、リーダー企業との差別化を図つつも王道からは外れないバランス感覚が重要です。
ニッチャーの企業は、差別化されたサービスをコアなファンに飽きさせないように届ける力が試されます。大きく成長はしにくいですが、業界の競争からは一歩引いたところにいることができます。比較的安定してチャレンジに寛容な職場が多いです。
フォロワーの企業は、基本的にはやめた方がいいでしょう。その分野以外で安定した利益を上げているのであればいいですが、そう簡単に業績を伸ばすことができず、自分の成果が出にくいです。その後のキャリアアップを考えた時、成果の出にくい仕事をしていると数字で語ることができません。同じ仕事をしていて数字で示せる結果が出しやすい方が絶対におすすめです。
業界研究で確認するとよいもの
業界研究は下記の媒体でチェックするのがおすすめです。情報の鮮度を意識して、なるべく新しい情報を収集するようにしましょう。
会社四季報
会社四季報は、企業情報や業界情報を客観的に知りたい時に役立ちます。その会社のポジションや将来性を図るのに使うと良いです。
インターネット
言わずもがな、最新情報を調べるのに役立ちます。ただし、体系的な情報ではないことが多いので、インターネットで情報を得たら四季報で業界構造やポジションを確認して理解を深めるというのがおすすめの方法です。
新聞・雑誌
人事情報や業界の動きなどを得るにはおすすめです。また、一般紙ではなく業界誌を手に入れることができると、より詳しい業界動向がわかります。
転職エージェントに相談する
転職エージェントは、基本的に業界ごとに担当しているため、その業界に詳しいエージェントやアドバイザーがいます。一般公開されていないような情報を持っていることも多いです。いわば転職のプロですから、気になることは全部聞いてしまっても問題ないです。
無料で使えるから質が悪いのでは、と思う方もいるかもしれませんが、基本的に転職エージェントは企業側から仲介手数料としてその人材の年収の6ヶ月分くらいをもらっています。そのため、質が悪いということはありません。むしろ、適切な人材を紹介できないと企業側から契約を切られてしまうので、本気で転職活動をサポートしてくれています。
こんなこと聞いてもいいのかな、ということも含めて全部聞いてしまうくらいでいいと思います!
企業研究シートは作らなくていい
多くの転職サイトでは、調べたことは企業研究シートにまとめましょうと言っていますが、結論作らなくて問題ないです。気になった点をメモする程度でいいです。
自分が採用担当者に質問したいところがまとまっていればそれで十分です。
時間もない中で丁寧にまとめようとすると、結果的に応募できる企業が少なくなったりします。研究シートを作れるなら作った方がいいとは思いますが、そこまでしなくても大丈夫です。
まとめ
企業研究の際は、まず自分の不満やスキルを正確に把握し、それが達成できるかどうかポイントを絞るようにしましょう。
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