クリエイティブ職への転職を検討している人は、ポートフォリオ制作が必須です。
- 履歴書
- 職務経歴書
- ポートフォリオ
この3点をしっかりと準備して転職活動に臨むことで、あなたの魅力を存分に伝えることができます。
この記事では、ポートフォリオの理想的な作り方をクリエイティブの職種別にご紹介します。
ポートフォリオの基本
そもそもポートフォリオとは、「紙ばさみ」「折カバン」「書類を運ぶケース」を指す言葉として日本に入ってきた言葉です。
業界別のポートフォリオの意味の違い
ポートフォリオは業界によって意味が異なるので、それを紹介します。
金融・投資のポートフォリオ
金融や投資の世界で用いられるポートフォリオは、金融商品の組み合わせを指す言葉です。例えば、ドルをたくさん保有している人が金にも投資することで、ドルが下がってしまった時でもリスクヘッジをする、というような考え方で、投資リスクを最小限にしつつ資産を増やしていくために使用します。
ポートフォリオ組みが下手だと、不況時に大ダメージを食らいます
教育のポートフォリオ
教育業界のポートフォリオは、生徒の成長記録のまとめのようなものを指します。
試験、レポートなどの成果物、学校生活の様子などをポートフォリオとしてまとめます。
成績と思い出のセットみたいな感じです
クリエイターのポートフォリオ
クリエイティブ業界でのポートフォリオはクリエイターの成果物をまとめた作品集を指します。面接時にそれを見ながらどういったことを意識して制作したのかなどをプレゼンすることで、作品に対する思いや仕事への向き合い方、クオリティーの高さを伝えることが可能です。
この記事ではクリエイターのポートフォリオについて解説していきます
ポートフォリオの定義
クリエイターのポートフォリオについて、明確な定義があるわけではありませんが、おおよそ下記の要件を満たすものをポートフォリオと呼び、就活・転職活動時に用意すべきものだと思ってください。
採用企業が求める人物かどうかをポートフォリオで判断できるように、可能な限り詳細に伝えるのが重要です。
多くの企業は、面接前にポートフォリオをチェックしてから臨むため、比較的ゆっくりと作品に目を通しています
ポートフォリオの基本構成
ポートフォリオの提出方法には、
- WEBで提出
- 面接に持参
の2つがあります。クリエイティブの職種に限らず、基本的な作り方は下記の通りです。
WEBで提出する場合
WEBで提出する場合は、基本的にはポートフォリオ作成サービスで自分の作品をまとめて、URLを共有する形で提出します。
この時、サイトの構成も含めて自分の世界観やセンスの良さを表現できればこう評価につながります。しかし、重要なのはあくまでもポートフォリオの中身です。作品の良さが伝わりやすいように、自分の得意な分野を大きく配置するなどの工夫をしてみましょう。
面接に持参する場合
面接に持参する場合は、A4もしくはA3の紙にプリントアウトしたものをクリアファイルやバインダーにはさんだものが一般的です。
構成としては、
- 表紙
- 自己紹介(プロフィール)
- キャリアや経験
- ポリシー・こだわり
- 主要作品
といった形が分かりやすいでしょう。
WEBで提出する場合でも、面接時にはプリントアウトして持っていくのが親切ですし、好印象です
採用担当者に評価されるポイントを意識して、ポートフォリオの作成に着手しよう
どんなに綺麗なポートフォリオを作成しても、採用担当者に伝わりにくかったら本末転倒です。
そもそも採用担当者がデザインやイラストに詳しいとは限りません。あくまでも重要なのは、「あなたが一緒に働く仲間として魅力的かどうか」です。
職種ごとのポートフォリオ作成ポイント
クリエイティブ職のポートフォリオが何を指すか説明しましたが、職種ごとにもポイントがあります。
代表的なクリエイティブ職について、載せるべき情報をご紹介します。
Webデザイナー、UIデザイナーのポートフォリオ作成ポイント
Webデザイナー、UIデザイナーの場合、基本的には実際のサイトが成果物になると思います。そのため、ポートフォリオ自体は作成しやすいと思います。
紙面での共有が難しいこともあるため、面接時に紙で持ってきてくださいと書かれている場合は動作前と動作後が分かる資料にしたり、PCも持って行って実際に見てもらえる状態にすることをおすすめします。
また、事前に見せたいサイトのURLを共有しておくとイメージを持ってもらいやすいです。
とにかく分かりやすく伝えることができると好印象です
ディレクターのポートフォリオ作成ポイント
ディレクターの場合、作品自体がアピールになるというよりはその制作過程におけるマネジメントやディレクションが分かるように情報をまとめなくてはいけません。
クライアントの要望がどのようなもので、それに対して納期と予算をどう調整して作り上げたのかが分かるようなポートフォリオにしましょう。
守秘義務などもあると思うので、載せられる情報かどうかは精査してくださいね
また、ディレクターの能力を示すために数値を用いて説明するのも良いでしょう。いくつかのプロジェクトをディレクションしていた場合はマトリックスや表でまとめると非常に分かりやすいのでぜひ参考にしてください。
CGデザイナーのポートフォリオ作成ポイント
CGデザイナーの作品は2次元の静止画、2次元の動画、3次元の静止画(立体図)、3次元の動画に大きく分類できます。
静止画はそのまま印刷しても分かるかもしれませんが、動画の場合はキャプチャを並べるなどしてどういった動きをするのか伝える必要があります。
紙面で持ってきてくださいと言われても、PCも持参したほうがいいです
イラストレーターのポートフォリオ作成ポイント
イラストレーターの場合、アナログ派とデジタル派に分かれると思います。
デジタル派の人は作品をポートフォリオ制作サービス等で見やすくまとめれば形になりますが、アナログ派の人は以下の方法で紙面にまとめる必要があります。
- 作品をスキャナーで読み込む
- 作品をカメラで撮影してデータ化する
- 持っていけるなら面接に持参する
とにかく相手に自分の作風が伝わる方法を考えて持っていくのが良いです。
所要時間は必須です。仕事では納期に間に合うかどうかが重要です
コピーライターのポートフォリオ作成ポイント
コピーライターは基本的にテキストが作品になるため、そのまま載せるとかなり味気なく見えてしまいます。実際のクリエイティブと一緒に載せたりすることで、作品の臨場感を出す工夫が必要です。
どんなテーマに対して、どのような発想でコピーが生まれたのかをまとめると理解されやすいでしょう。また、その時の周辺情報の調査方法や、作品を生み出すために普段から気を使っていることなどをまとめると非常に説得力が生まれます。
ゲームクリエイターのポートフォリオ作成ポイント
ゲームクリエイターの場合、一人で作り上げることはほとんどないと思います。そのため、複数人で作り上げた作品のどの部分を担当したのかは明確に伝える必要があります。また、その際にはどういった要望をどのように処理したのかも説明できると現場での立ち振る舞いが分かるので非常におすすめです。
プログラマーの場合は開発環境や開発言語も書いておくと、イメージが湧きやすいです。
また、ゲームタイトルのみを書いても分からないことがあるので、できればパッケージやバナーを掲載することでより理解してもらいやすくなるでしょう。
ゲームデザイナーのポートフォリオ作成ポイント
ゲームデザイナーの場合、ビジュアルを見せればある程度はどのような作品を作ってきたのか理解してもらいやすいです。そのため、自分が関わったり担当してきたデザインのキャプチャ画像を盛り込み、それを作るまでの過程について話せるようにまとめておくのが良いです。
「キャプチャ画像+説明文」の形でまとめると分かりやすいのでおすすめです
他業界のポートフォリオの考え方に学ぶ
そもそもポートフォリオは、どの業界でも「分かりやすくまとめたもの」を指します。
例えば金融業界ではどういったリスクを取り、どんなリスクを回避したのかを分かりやすくまとめたものです。時代の流れ、経済状況に応じて「攻めた」のか「守った」のかが分かります。
クリエイターのポートフォリオも同様に作品が出来上がるまでの思考や動きが分かるようにまとめることで、採用担当者が受け入れやすくなります。特にクリエイティブ職はそれがどのような成果をもたらしたのか定量的な評価が難しい職業です。
「こんな作品が作れるなら、きっとユーザーに受け入れられてサービスを楽しんでもらえる」と採用担当者に思ってもらうことがゴールになります。自分がどのように会社に貢献できるのかを意識してポートフォリオ制作を進めてくださいね。
まとめ
面接は長くても30分程度で終わってしまうことが多いです。そのため、自分が作ってきた作品をすべて紹介したり、魅力を100%伝えることは難しいでしょう。その中でも、自分が魅力ある人材であることをアピールするためには、ポートフォリオには一定のボリュームがあったほうがいいです。
別に面接のタイミングでしかポートフォリオを確認しないわけではありません。あなたが帰った後でゆっくり見ることもできます。
また、クリエイティブ職に就くのであれば最低限の美的センスは要求されます。雑然としたポートフォリオでは、基本的なスキルを疑われかねないので、見やすく整えるという点は重視してポートフォリオを制作するようにしましょう。
時間がかけられないという場合は、無料のポートフォリオ制作サービスを使うのもおすすめです。
コメント