コミュ障だから転職ができないのではないかと思っている人は多いです。
しかし、コミュ障でもポイントを押さえて転職活動をすれば必ず転職を成功させることができます。
この記事では、コミュ障のタイプや職場で苦労すること、コミュ障におすすめの仕事について解説します。
コミュ障とは何か
そもそもコミュ障とはどのような存在でしょうか?
自分はコミュ障だろうと思っている方も、どんな性格をコミュ障と呼ぶのかわかっていない方も多いと思います。
Weblio辞書ではコミュ障を下記のように定義しています。
「コミュニケーション障害」の略として用いられる語。コミュニケーション能力に欠点・難点があり、円滑な人間関係の構築に困難が生じている状態などを指す語。
引用:Weblio辞書
コミュニケーション能力に欠点があるというのは確かにそうだと思いますが、コミュニケーションの苦手な方向には以下の2方向があります。
- アッパー系コミュ障
- ダウナー系コミュ障
それぞれの特徴を見ていきましょう。
アッパー系コミュ障とダウナー系コミュ障
みなさんの周りに、テンションが高すぎて合わないタイプと低すぎて合わないタイプの2種類がいると思います。
それぞれの特徴について整理しておきましょう。
アッパー系コミュ障
アッパー系コミュ障は、コミュニケーション能力に自信があり、積極的ではありますが、実際はコミュニケーションをとることができていないタイプです。
- コミュ障の自覚がない
- 自信がある
- 思い立ったら即行動
- 基本的にうるさい、目障り
- 声が大きく、目立つ
- 自分中心の話をしがち
- 人の話を遮ってしまう
- 空気が読めない
- 人前に立って目立つのが好き
あいつ、なんで自信満々なんだろう?って人いませんか?
ダウナー系コミュ障
ダウナー系コミュ障はテンションが低く、人とコミュニケーションをとる頻度が少ないタイプです。
- コミュ障の自覚がある
- 人混みが苦手
- 自信がない
- 消極的
- 物静か
- 声が小さい
- 大勢の前だと緊張する
- 何かを決断できない
- 前に出るのが苦手
- アピールできない
- 責任感が強くて真面目
- 挨拶ができない
周りから見てもコミュ障なタイプです
コミュ障が職場で直面する苦手シーン
アッパー系もダウナー系も結局はコミュ障なので、職場で苦手とするシーンがいくつかあります。
職場の人となかなか仲良くなれない
まず、職場の人と仲良くなるのに時間がかかります。
アッパー系のコミュ障は距離感が掴めずにうまくいかず、ダウナー系のコミュ障はそもそも会話量が少なくて仲良くなれない傾向にあります。
職場の人は普通に接しているつもりですが、どこか仲良くなりきれないことが多いです。
また、飲み会やランチにはあまり誘われないでしょう。
外部の人とのやり取りで緊張してぎこちなくなる
取引先などあまり関わりのない人とコミュニケーションを取らなくてはいけないとき、必要以上に緊張してしまってできないことがあります。
責任感の強さや、ミスが許されないという強い思い込みからぎこちなくなってしまうと考えられます。
アッパー系の場合は無鉄砲すぎて失礼なことをしてしまうかもしれません
伝えるべきところで自分の意見を言えない
自分の意見を伝えることが苦手なため、その場の意見に飲まれてしまうことがあります。
アッパー系コミュ障の場合はたくさん意見を出しますが、自分の考えが浅く一蹴されてしまいがちです。
ダウナー系コミュ障はそもそも意見がいえず、同意だけを求められてしまいます。
初対面の人と簡単な会話ができない
初対面の人に対して失礼にならないように考えすぎてしまい、結局何を話していいのかわからないという状況になりがちです。
アイスブレイク的な会話が苦手で、いつもシーンとしてしまって話しにくい空気感が漂います。
空気の読めない発言をして周囲を困惑させる
アッパー系コミュ障に多いですが、会議などで空気の読めない発言をして周囲を困惑させてしまい、なんとなく変な空気にしてしまうことがあります。
あの人がいると話が変な方向に行ってしまうから次からは呼ばないでおこうと言われてしまうこともあります。
コミュ障におすすめの仕事
アッパー系コミュ障もダウナー系コミュ障も、対人関係がうまく行かないのが問題です。
逆に言えば、対人関係をある程度避けられる職場であればコミュ障でもうまく馴染んで働きやすいとも言えます。
そんなコミュ障におすすめの仕事についてご紹介します。
エンジニア
エンジニアはプログラミング言語を使ってプログラムを作る仕事です。基本的にはパソコン画面に向かって黙々と開発を行うことが求められているため、そこまでコミュニケーションを取ることはありません。
仕様の相談や打ち合わせが週に数回入る程度で、そのほかは特に必要なコミュニケーションはありません。
製造業
製造業は製品が問題なく完成するように管理する仕事です。機械の様子をモニターでチェックしたり、完成した製品に異常がないかを見ていきます。
基本的に毎日同じような仕事を続けるため、頻繁にコミュニケーションの機会があるわけではありません。黙々と作業したい方にとってはおすすめの仕事です。
清掃業
清掃業は決められた場所を綺麗にする仕事です。公共施設の清掃、駅、商業施設など担当するエリアは多岐に渡ります。
基本的には毎日決められた手順で決められた場所を掃除するのが仕事ですので、コミュニケーションをとる機会は非常に少ない仕事です。ただし、業務中の人がいる中で掃除をすることも多いため、一定の配慮は必要になります。
警備業
警備員は働く場所によってはコミュニケーションを取らずに済むことが多いです。
ルート巡回やモニターチェック、監視業務では基本的に人と話すことはありません。
ただし、入館者管理などを担当するとどうしても人と話す機会が生まれます。
また、多くの場合は目立った仕事がなくても拘束されることになるため、働く上でのデメリットにはなり得ます。
トラック運転手
トラック運転手は一人で運転している時間がほとんどのため、人とのコミュニケーションの機会はほとんどありません。
特に長距離ドライバーの場合は荷下ろしのタイミングくらいなので、コミュニケーションが苦手な場合はおすすめです。
近距離の配送や食品関連の宅配ドライバーはお客さまと会話する機会も多くなるため、多少気は使うかもしれません。しかし、トラックを運転しているタイミングでは一人の時間を持つことができるため、気持ちを切り替えやすいでしょう。
事務職
事務職は外部の人とのかかわりはほとんどありませんが、社内の人とは頻繁にコミュニケーションが生じる傾向にあります。
初対面の人が苦手な場合は事務職も視野に検討しましょう。
研究職
研究職は基本的に自分の研究をしている時間がほとんどのため、コミュニケーションが苦手でも問題ありません。
よく研究者や大学教授のイメージとして気難しい印象がありますが、裏を返せばそういった性格や特性を持っている人でも働きやすいのが研究職です。
最終的に研究成果を示すことができれば認めてもらえるので、何か熱中するほど好きなことがある場合は研究者を目指すこともおすすめです。
アーティスト
アーティストにはコミュ障が多いと言われています。自分の世界観を強く持ち、それ以外を受け入れることができないというのが弱点でもあり、強みでもあります。
実際、世界で名を馳せているアーティストはほとんどの人がコミュニケーションに何らかの問題を抱えています。普通に接しているとなんだかリズムを狂わされてしまうことがあるのです。
ですが、それこそがアーティストとしての素質だったりします。人の見ていない世界を表現し、新しい気づきを与えることがアートの本質。元来コミュ障はアーティストに向いているのかもしれません。
コミュ障が転職活動を成功させるコツ
コミュ障だからといって転職活動がうまくいかないということはありません。コツをつかんで無理をしなければ、必ず自分にあった仕事を見つけることができます。
自分の強みに目を向け、伝えられるように整理する
まず、コミュニケーションが苦手という部分は置いといて、自分が持っている強みに目を向けてみましょう。
- 昔から細かい作業をすることが好きで、褒められた経験がある
- 誰もやりたがらない仕事だけど、自分は嫌いじゃない
- 何気ない挨拶を褒められたことがある
この程度でもいいのです。どんな天才だって得意不得意はあります。あなたができること、他の人よりも苦にならずにできることを探しましょう。
そして、得意なことが見つかったらそれを面接の時に伝えられるように整理してみましょう。
- 自分が得意だと思っていること
- それを感じたエピソード
- なぜ得意なのか、自分の性格などを考察
この3つを考えておくと、面接官に「自分のことをよく理解している」と思われ、転職が成功しやすくなります。
もっとも、その能力が必要ないと思われた場合は成功しませんが、それはどんな優秀な人でも転職時には味わうことなので気にせずに進みましょう。転職活動はマッチングが大事です。
コミュ障に合っている仕事に絞って応募する
コミュ障におすすめの仕事をいくつか紹介してきましたが、実際に仕事を検討する際は自分にあった仕事に絞って応募することをおすすめします。
例えばコミュ障なのに常に新しい人と会話しなくてはいけない営業職ばかり応募していては、なかなか採用されにくいですし、採用された後も苦しい思いをすることになります。
自己分析ツールなどを使って、自分がどんな性格でどんな仕事が合っているのかを確認してから転職活動を進めるようにしましょう。
転職エージェントを活用し、一人で転職活動をしない
コミュ障だから他の人の手を借りずに転職活動をしようと考えている人もいるかもしれませんが、転職エージェントを有効活用したほうがいいでしょう。
転職エージェントはたくさんの転職者を支援してきています。もちろん、コミュ障の方も支援したことがあるでしょう。面接でどういった点につまづきやすいのか、入社した後に直面する困難、会社の社風など、あらゆる面でサポートしてくれるため、絶対に味方につけておいた方がいい存在です。
特に、エンジニア専門エージェント等もあるため、希望職種が決まっている場合は必ず利用するようにしましょう。
コミュ障の原因が発達障害特性にあるケースも
コミュ障の中には、生まれながらに持っている発達障害特性が原因になっている人もいます。
発達障害はそう簡単に治療することはできません。一応薬物療法も存在しますが、副作用もありますし、何を持って治ったと判断するのかも難しいところです。
つまり発達障害の場合は、特性と向き合って自分の力が発揮できる環境で仕事をすることが重要です。コミュニケーションが苦手なら、コミュニケーションを必要としない環境で働けるようにトレーニングをしていくことで、普段抱えている生きづらさから解放されます。
atGPジョブトレ発達障害コース
atGPジョブトレ発達障害コース(旧リンクビー)では、発達障害を抱える人が就職しやすくなるように様々なトレーニングを受けることのできるサービスです。
同じ悩みを抱える仲間と一緒に、一般社会で働いていくために必要になるスキルを身に着けていきます。例えば、タスク管理の仕方や上司への報告の仕方、基本的なパソコン研修など、社会人として働いていくために必要になるスキルを一通り学べます。
コミュ障で仕事を辞められない時は退職代行サービスを使おう
転職活動がうまくいき、他社から内定をもらっても、コミュ障の場合は最後の難関が残っています。それは、退職手続きです。
普通の人ですら退職手続きはやりにくさを感じますから、コミュ障の場合はさらに大変でしょう。なかなか言い出せず、ギリギリになって切り出すのは社会人としてマナー違反とも言えます。(別に違法ではありませんので、最悪OKです)
退職手続きが面倒だなと思う場合は、退職代行サービスを利用しましょう。
退職代行サービスは基本的に退職成功率100%です。連絡して依頼したその日から会社に行かなくてOK、連絡も不要というのが大きな魅力で、以下のような人に多く利用されています。
- パワハラを受けていて連絡したくない
- コミュ障で退職を切り出せない
- とにかく手っ取り早く会社を辞めたい
最近では就業規則で退職代行サービスを使った退職を禁止しているケースもあるようですが、基本的には就業規則より労働基準法のほうが効力が強いので気にしなくてOKです。
どうしても辞めたいと思うようになったら遠慮なく利用しましょう。
退職代行サービスについては下記の記事を参考にしてください。
まとめ
コミュ障だから転職ができないというのは間違いです。自分にあった環境は必ずあるので、今の会社でコミュニケーションがうまく取れていない場合でも落ち込まずに次を探す意識を大切にしましょう。
コミュニケーションが苦手だからこそ、他の人よりも優れていることはたくさんあります。それを強みと捉え、前向きに転職活動に取り組みましょう。
コメント