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オープン就労とクローズ就労の違いとどちらを選択するべきか解説

オープン就労とクローズ就労の違い、メリット・デメリット

オープン就労クローズ就労について知っている人は少ないと思います。

一般に、何らかの障害を持つ方が就職活動を行う場合、どちらの方法で就職活動をするか選ぶことになります。

今回は、オープン就労とクローズ就労について説明します。

自分に合った方法で就職活動を進めましょう!

オープン就労とクローズ就労

オープン就労は、自分の持っている障害について情報を企業に開示して就職活動をすることを指します。基本的に、「障害者雇用枠」の求人に応募することを意味します。

クローズ就労は、自分の障害について企業に開示せずに就職活動をすることを指します。一般の求人枠に応募し、一般的な選考フローで就職活動を行うものです。

オープン就労とクローズ就労は自分で選べるものですが、実際にはいくつかの条件があります。確認していきましょう。

オープン就労で働くために必要なこと

オープン就労は「障害者雇用枠」に応募することになります。

障害者雇用枠とは

障害者雇用枠は、障害のある方でも社会の一員として能力を生かして働き、自立した生活を送れるようにするための制度です。国が企業に対して一定以上の割合で障害者を雇用することを求めるもので、法律でも下記のように定められています。

事業主(常時雇用する労働者(以下単に「労働者」という。)を雇用する事業主をいい、国及び地方公共団体を除く。次章及び第八十一条の二を除き、以下同じ。)は、厚生労働省令で定める雇用関係の変動がある場合には、その雇用する対象障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。第四十六条第一項において「法定雇用障害者数」という。)以上であるようにしなければならない。

障害者雇用促進法43条第1項

障害者雇用枠に応募するための条件

障害者雇用枠は、勝手に応募できるものではありません。仮に医師の診断がついていたとしても、応募はできません。

障害者雇用枠に応募するためには、障害者手帳を取得する必要があります。

障害者手帳には以下のような種類があります。

  1. 身体障害者手帳
  2. 療育手帳
  3. 精神障害者保健福祉手帳

身体障害者手帳は身体に障害を抱える人が取得できる手帳です。

療育手帳は知的障害者が取得できます。

精神障害者保健福祉手帳は、うつ病、発達障害などの精神疾患を抱える人が取得できます。

障害者手帳の取得には時間がかかる

障害者手帳を取得するためには、居住している市区町村の窓口で必要書類を入手し、申請する必要があります。

身体障害者手帳、療育手帳に比べ、精神障害者保健福祉手帳は取得までに時間がかかります。

これは、申請の条件に「診断から6ヶ月以上経過していること」という条件があったりするためです。

急いで取得することはできません。取得を検討しているのであれば、早めに精神科などを受診し、診断を受けておく必要があります。

クローズ就労で働くために必要なこと

クローズ就労には特に条件はありません。一般的な就職活動と同じように、ハローワークや転職エージェント、就労移行支援などを活用して自分で仕事を探すことになります。

自分から障害について開示する必要はありませんが、例えば面接で聞かれた際には正直に答えなくてはいけません。正確に言うと答えるかどうかは自分次第ですが、仮に病歴の詐称が発覚した場合、解雇されても文句は言えないので注意しましょう。

オープン就労のメリット・デメリット

オープン就労にはメリットもデメリットもあります。一般に、障害の程度が重い場合はオープン就労を使うことで働きやすい環境に就職・転職することが可能です。

メリット

オープン就労のメリットは、なんといっても障害に対して理解を得られることと必要な配慮が受けられる点です。

身体障碍者の場合は座席の工夫やスロープの設置などをしてもらえる可能性が高いですし、精神疾患の場合は必要に応じてリモートワークや通院のために勤務時間の調整をするのが容易です。

特に精神疾患は職場環境で再発リスクが変わってくることもあるため、症状がひどい場合は一旦オープン就労で就職して、回復したら一般就労にチャレンジするのもありでしょう。

オープン就労を利用したからといって、その後一般就労が利用できないというわけではありませんので安心してください。

デメリット

オープン就労のデメリットは、なんといっても求人の少なさです。また、仕事内容もクローズ就労に比べると限定されているため、自分のやりたい仕事ができない可能性があります。また、給料もクローズ就労より低くなってしまうケースがほとんどです。

クローズ就労のメリット・デメリット

クローズ就労にもメリット・デメリットは存在します。症状が軽い場合はクローズ就労も検討するのが良いでしょう。

メリット

クローズ就労のメリットは、仕事の選択肢が多い点です。様々な転職エージェントに登録して、一般的な就職活動を行います。そのため、自分のやりたい仕事ができる可能性が高くなります。また、オープン就労に比べて給料も高くなるケースがほとんどです。

デメリット

クローズ就労のデメリットは、病気に対する配慮は期待できないという点です。そもそも病気を持っていることを伝えていないので、特に精神疾患の場合は必要な配慮をしてもらえずに病気が悪化してしまうこともあります。また、通院のために休暇を取るのが難しかったり、周囲が異変を感じても病気ではないと思って、「仕事のできない人」というレッテルを貼られて職場に居づらい雰囲気になってしまうこともあります。

オープン就労とクローズ就労のどちらを選択すべきか

オープン就労とクローズ就労のどちらを選べばよいのかは、自分の病状によります。大事な観点は、「無理せず、長く働き続けられるかどうか」です。精神疾患で退職して、実際に診断書をもらって手帳を取得しているようなケースではオープン就労のほうがリスクが少ないでしょう。

仮に精神疾患の症状が重い人がクローズ就労で就職した場合、職場環境になじめずに早期退職をしてしまうことが考えられます。早期退職が繰り返されると、採用側もかなり慎重になってしまい、できる仕事、選べる仕事が減ってしまいます。

精神疾患の症状が落ち着いて、ご自身の症状への対処法もしっかりと理解しているようなケースではクローズ就労を選択してもいいでしょう。

オープン就労にすべきか迷ったら転職エージェントに相談

一人で答えを出すことができない場合、転職エージェントに相談してみるのもいいでしょう。基本的に転職エージェントはクローズ就労の案件をたくさん持っているため、自分の症状や状態を詳しく説明しない限りはクローズ就労をおすすめされることが多いです。恥ずかしい気持ちもあるかもしれませんが、担当のエージェントを信頼して相談してみてください。話しているうちにご自身の考えがまとまることもあります。客観的な意見も取り入れながら、自分に合った就職・転職活動をしましょう。

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