転職活動をする際には、情報収集で口コミサイトを使うことも多いと思います。
口コミサイトはうまく使えば気になる会社の社員による生の声を知ることが可能ですが、いくつかの注意点もあります。
口コミサイトの活用の仕方
口コミサイトは、多くの場合以下のような情報収集ができます。
- 気になる会社の新着情報が知れる
- 会社の業態や強み弱みが知れる
- 社員や元社員による生の声を知れる
- 女性目線で会社の評価が知れる
企業の生の評価を知る
口コミサイトの最大のメリットは、社員や元社員による生の評価を知ることができる点です。
採用サイトには、基本的には良いことしか書きません。魅力的なポイントのみを載せて、多くの社員が不満に思っているような点は隠します。ネガティブな情報を載せることで応募の母数を減らすことに意味はないので、これは転職者が注意しておかなくてはいけません。
その点口コミサイトは、基本的に企業に忖度をする必要がないため、どんな口コミが集まってもOKなのです。
もちろん、明らかな誹謗中傷や名誉を毀損するような口コミは規制されますが、給料が低いとか会社の雰囲気が悪いとか、そういった情報はオープンになっています。
口コミサイトのビジネスモデルは、転職サイト同様に転職の仲介です。有益な口コミが集まることで信頼してもらうのがビジネスの根幹なので、基本的には転職者の味方です。
自分の価値観に合っているかを知る
上記と関連して、口コミを通して企業の採用サイトではわからなかった価値観を知ることができます。
採用サイトで見た内容では自分に合っているなと感じても、実際には真逆の価値観の会社だったということもあります。実際、僕は社会貢献性に惹かれて入社を決めたところ、利益重視で人をモノのように扱うような会社に入ってしまったことがあります。
自分の価値観と企業の価値観が合わないというのは、端的に言って地獄です。毎日8時間も自分とは合わない環境で拘束されるのは嫌ですよね。
口コミサイトで色々な人の意見を見ることで、自分の価値観と合っているかを確認しましょう。
ブラック企業かどうか判断する
ブラック企業かどうかを判断するために口コミサイトを見るのは非常におすすめです。
採用サイトにはブラック企業っぽいことは一切書かれていません。残業時間くらいはわかるかもしれませんが、企業が全体的にパワハラ体質だったりというのは絶対にわかりません。
口コミサイトにはそういった情報も全て載っていることが多いです。残業が多いのかどうか、飲み会が重視されるのかどうかなど、個人的に気になるポイントがまとまっています。
ブラック企業を避けるためには、企業サイトや求人サイトだけを見ているだけでは不十分です。しっかりと口コミも確認するようにしましょう。
ブラック企業を見抜く求人票の見方や面接のポイントは下記の記事を参考にして下さい。
面接での逆質問対策をする
企業の採用面接では、最後の方に逆質問の時間をとってもらえることがあります。
逆質問は企業について気になっていることを聞く絶好の機会です。基本的には仕事の内容や今後の展望などを聞き、逆質問もアピールの場として活用することが望ましいです。しかし、同時に自分が就職するとして気になっている条件面を詰めるというのも大事です。例えば「給料がなかなか上がりません」という口コミを見たら、「昇給の条件ってどのようになっているのでしょうか」と質問をしてみるといいでしょう。
「口コミで見たんですけど〜」とは言わないようにしましょう。あくまでも自分が気になって聞いているというテイで、自然に聞くのがポイントです。
口コミサイトで見ておきたいポイント
口コミサイトでは、採用サイトには書かれていないことを確認するのがいいでしょう。
退職検討理由
まず、どこの口コミサイトにもある「退職検討理由」をチェックしましょう。
退職検討理由には、正直な理由が並んでいることが多いです。僕が色々な企業の口コミをチェックしていて多かった理由をいくつかご紹介します。
ポジティブな退職検討理由
- より大きな仕事をするために転職を決意した
- コンサルとしてではなく、インハウスで自社のプロダクトを成長させたくなった
- 働くうちに自分の興味のある分野が絞れてきた
- 今の会社で学ぶべきスキルは身につけた
ネガティブな退職検討理由
- 残業が多く、体調を崩した
- 昇給の基準が不明瞭でモチベーションが保てなかった
- 上司のパワハラが酷かった
- 人をバカにする風潮があるのが嫌だった
- 社長の人徳がない
複数の人のネガティブな理由が多い場合は注意しましょう。
女性の働きやすさ
男女平等が意識されている中、女性の働きやすい環境かどうかは重視しておきましょう。女性の転職者はもちろん、男性の転職者も確認しておくべきです。
なぜ男性も確認しておくべきかというと、女性の働きやすさを重視して環境を整えている会社は社会の変化に適応しているという証拠だからです。
女性の働きやすい社会というのは、日本全体の課題です。それをいつまでも無視しているというのは、変化に対応できませんと言っているようなものです。
何か業界の変化があったときに全く対応できず、出遅れてしまうのが目に見えます。
女性の働きやすい会社は、全社的に福利厚生がいい傾向にあると思います。
誰が書いたのか
口コミは、誰が書いているのかをしっかりと見ておくようにしましょう。
例えば、マーケティング部に入ろうとしている人が事務の人の口コミをみても、あまり参考になりません。特に残業時間や給料については全く参考にならないでしょう。
基本的には同じ職種の人の口コミを参考にして、会社の雰囲気などを確認したい時は違う職種の人の口コミも参考にしましょう。
おすすめの口コミサイト
エン ライトハウス(カイシャの評判)
どんなサイトか
日本最大級の口コミプラットフォームで、320万件の会社クチコミが集まっています。
それぞれの企業についてレーダーチャートで評価がまとまっていたり、転職者が気になる情報がしっかりとまとまっていて見やすいのが特徴です。
おすすめポイント
UIがよく、「口コミを探す」という点ではかなり使いやすいのではないかと思います。
個人的には、他企業との比較がしやすいのが好きです。グラフや数値を並べて比較できるため、かなり視認性のよいデザインになっていると思います。
口コミの数も非常に多いため、信頼性も高いでしょう。
一方で、小さい企業だとデータがあまりないこともあって、そんなに参考にならないケースもあります。グラフや平均数値が算出されないため、見やすいとは言えません。
大企業〜中規模の企業の口コミを確認するときにはおすすめです。
転職会議
どんなサイトか
転職会議はサービスの名称にもある通り、転職を検討する際に知っておきたい情報が多く載っています。
企業概要や業績情報がTOPに掲載されており、伸びている会社なのかどうかをすぐに確認することができます。
業績情報は有価証券報告書などでも確認できた方がいいですけどね!
おすすめポイント
口コミも見やすく、自分が知りたい項目を選んですぐに確認できます。
また、職種や雇用形態、性別でフィルタをかけることができるため、より自分に合った口コミを見つけることが可能です。
▶︎転職会議
キャリコネ
どんなサイトか
キャリコネはレーダーチャートで働きやすさや平均年収、ホワイト度などがわかるのが特徴です。テーマ別の口コミがサクッと確認できるようにTOP画面にいくつか載っているのも見やすいです。
おすすめポイント
転職者向けの導線がしっかりしており、エージェントへの相談にスムーズに移行できるのがいいですね。
ただし、相談のためには利用登録が必要になるので、時間のあるときに登録するといいでしょう。
▶︎キャリコネ
openwork(Vorkers)
どんなサイトか
openworkもレーダーチャートで会社評価スコアを見ることができます。
残業時間や有給消化率も分かりやすく載っているため、ホワイトな企業なのかどうかが分かりやすいです。
おすすめポイント
ホワイトな企業を探すというよりは、実際に働いている人の口コミによって労働環境の透明性を高め、働きがいのある会社を求める人に向いています。
注意点として、評価が少ない企業は「評価スコア」が変化せず、あまり参考にならないことがあります。スタートアップなどを志望している人は注意しましょう。
口コミサイトの注意点
口コミサイトの情報は非常に有益な情報が多いですが、いくつかの注意点もあります。
企業が自演している可能性がある
まず、企業が自分で高評価の口コミを自演している可能性があります。
他の口コミに比べて不自然に評価の高い口コミは疑ってかかるようにしましょう。
本来口コミは、いい情報も悪い情報も書くものです。いいことしか書いてないなと思ったらそれはあまり当てにしない方がいいです。
また、年収などは当てにしない方がいいです。自演の場合は高い金額を書いていることが多く、実際の金額とは違うことが多いです。
実際、多くの企業が自演をしています。弊社も多少しているようです。
入社年や勤続年数は当てにならない
口コミはその企業の人もチェックするため、入社年や勤続年数を正確に書いてしまうと誰が書いたのかバレてしまうことがあります。
また、所属部署なども正直に書くとバレてしまうことがあるので少し変えていることもあるでしょう。
なるべく新しい情報を参考にするのがいいですが、2〜3年前くらいの情報までは参考にしてもいいと思います。
僕はだいたい自分が辞めた1年前に辞めていることにして書いています!
ヘイトの溜まった社員の投稿の可能性がある
口コミサイトにありがちなのは、会社を恨んでいる人がストレスを解消するために有る事無い事を書いているケースです。
そのため、冷静な意見として書かれているかどうかを見極める必要があります。
信頼していい口コミ
- 会社全体に対する意見
- 部署に関する意見
- 給与体系に関する意見
- 福利厚生に関する意見 など
会社全体の雰囲気や仕組みなどについての意見は参考にしても問題ないでしょう。
ヘイトが溜まっているのが全社的な問題に対してなら、それはあなたが転職しても感じる問題点の可能性が高いです。
信頼しない方がいい口コミ
- 個人的な衝突に関する意見
- チームの雰囲気が悪いという意見
- 部下が使えないという意見 など
口コミの中でも、個人に問題が起因しているものは参考にしないようにしましょう。その人に問題があった可能性が高く、あなたも同じ状況になることは考えにくいからです。
ただし、社長に関する意見はしっかりと見ておくべきです。社長に関する意見は多くの場合で全社的な課題感につながっていると思われるため、参考にしても良いでしょう。
口コミ情報を見るために仕方なく書いている場合が多い
口コミサイトの仕組みとして、「口コミを書いたら他の企業の口コミが見れるようになる」というケースが非常に多いです。
つまり、他の企業の口コミを確認したい転職者が適当に書いている場合があるということが考えられます。
基本的には思ったことを正直に書くものですし、あまりにも適当な内容だと登録できないので、一定の質は担保されています。しかし、そこまで力を入れて書くものでもないというのが本音ですよね。
口コミを書いているのは、皆さんと同じく転職を検討していて、他の企業の生の情報が知りたい人です。そのため、「自分ならどんな気持ちで口コミを書いているかな」というのを意識しながら見ると良いでしょう。
口コミは短くてもいいので、できるだけ正直に思ったことを書くのがおすすめです。
まとめ
今回は、口コミサイトの活用の仕方や注意点、おすすめの口コミサイトについて紹介しました。
注意点を意識して活用すれば、後悔のない転職活動をするためにとても役立ちます。ぜひ、活用してみてください。
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